それはきっと、雨のせい
「…空の彼女も今日、ゆうくんと遊びに…「知ってるよ。」




私の言葉を遮って、もう一度、空は言った。




「知ってるよ…奈那は今頃、葵の彼氏と遊びに行ってる。」




悲しそうに笑う君。




空の彼女は、私の彼氏としょっちゅう遊んでる。




その度に、空はこうやって、悲しそうに笑う……。




私はそんな君を見る度に、胸が苦しくなって、泣きたくなる。




これがなんなのか、そんなの、ずっと前から知ってる。




でも、君にも彼女がいるから…




私は君が幸せならそれでいいから……




「…よし、泣き止んだ?……帰ろ。」




< 5 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop