躊躇わず突き進む(詩集)
報われなかった恋
成れの果て
【成れの果て】
時の流れはきみの中から
ひとつの感情を消し去ってしまった
わたしがいくら
言葉の端に気持ちを置いても
きみの心に残りはしない
置き去りになった言葉は
泡沫のように消えていく
ふたりで過ごした時間の
その成れの果てが無情ならば
わたしはどう嘆けばいいの
無情を蹴飛ばすだけの勇気もないというのに
握った拳、
親指の爪を人差し指に食い込ませ
残酷なほど美しい月を見上げた
絶望と繋いだ手の感触は
驚くほど悲しい