躊躇わず突き進む(詩集)
詰め込んだ鞄
【詰め込んだ鞄】
もう、破裂寸前だ
ぎゅうぎゅうに詰め込み過ぎて
いつ、バンッ、ていってもおかしくはない
だから何かを捨てる決断をして
ひとつずつ
中身を取り出してみる
でも出てきたのは
過去の恋とか
口を噤んだ想いとか
世間への皮肉とか……
いらない、と決断するには
重すぎるものばかりだった
とりあえず
昨日のぶんの書類と
想いの表層を捨てて
今すぐの破裂は免れたみたいだ
大事にしたい恋だったけれど
貫き通したかった想いだったけれど
理不尽な世間に吐いた皮肉だったけれど……