きらり、きらり、
『中身見て判断することもあるから、基本的にハガキは見られてると思った方がいいよ』
「あ……じゃあ、見られた?」
『一日からかわれた。今日ほど外回りで助かったことないかも』
本能の叫びがほとばしるあれを見られたのかー!
もう郵便局行けない……。
「ごめんなさい」
『いや、ありがとう。うれしかった』
『明けましておめでとうございます。
そして、新年早々お仕事お疲れ様です。
今年も好きです。
来年も好きです。
ずっとずっと好きです。
早く会いたいです。』
本当のことを言うと、期間アルバイトの女の子たちを牽制できたのでは? とほくそ笑む気持ちもある。
高校生くらいの女の子から見たら、ちょっと大人でやさしく教えてくれて、仕事頑張ってる姿を間近で見たりなんかしたら、すぐ好きになっちゃうと思うから。
私が会いたくても会えない間、そんな女の子たちに囲まれて一体感を味わっているのだとしたら心配で仕方ない。
『ミナツさんはいつ戻るの?』
「3日に帰る。4日から仕事だから」
『そっか。気をつけてね』
今年は4日が金曜日だから、私は4日に出勤してすぐ土日休みになる。
だけど小川さんは4日が休みで土曜日は仕事だ。
日曜日まで休みは重ならない。
テレビも特番ばかり。
することもないお正月は流れる時間もひときわゆっくりしている。
のんびり寝正月をきめこむにはいいけれど、今の私には苦痛でしかない。