好きな人は策士な上司(『好きな人はご近所上司』スピンオフ)
「俺も一緒に莉歩の服を選びに行きたかった」
不貞腐れた声が小さな子どものようで可愛らしくて、思わず笑ってしまった。
「フフフ」
「何?」
怪訝な表情の尚樹さん。
「いえ、可愛いなあと……」
途端に渋面をつくる尚樹さん。そんな表情すらカッコいい。
「そんなこと言う? 今、ここで莉歩が泣きそうなキスするよ?」
私のピアスに長い指で触れながら尚樹さんが不敵に微笑む。
「な、何言ってるんですかっ!?」
真っ赤な顔で口をパクパクさせる私に尚樹さんが笑う。
「莉歩が変なこと言うから。男は皆、狼だって教えてもらわなかった? そのスカート、本当は穿かせたくないけど似合ってるから我慢する」
慌てて自分のスカートを見おろす私。
「え!?」
「丈、短すぎ。足、出しすぎ、ほら行くぞ。タクシー、来た」
短すぎ、って膝丈なのに! タイツだってはいてるのに!
真っ赤になった私に凄艶に微笑んで、尚樹さんが指を絡めて引っ張る。
いつの間にタクシーを手配してくれていたのだろう。相変わらず何もかも用意周到だし、私の鼓動は昨夜から壊れっぱなしだ。ドキドキドキ、と狂ったようなリズムばかりを刻む。
尚樹さんが甘過ぎて、フロアできちんと部下の顔に戻れるのかもう自信がもてない。
不貞腐れた声が小さな子どものようで可愛らしくて、思わず笑ってしまった。
「フフフ」
「何?」
怪訝な表情の尚樹さん。
「いえ、可愛いなあと……」
途端に渋面をつくる尚樹さん。そんな表情すらカッコいい。
「そんなこと言う? 今、ここで莉歩が泣きそうなキスするよ?」
私のピアスに長い指で触れながら尚樹さんが不敵に微笑む。
「な、何言ってるんですかっ!?」
真っ赤な顔で口をパクパクさせる私に尚樹さんが笑う。
「莉歩が変なこと言うから。男は皆、狼だって教えてもらわなかった? そのスカート、本当は穿かせたくないけど似合ってるから我慢する」
慌てて自分のスカートを見おろす私。
「え!?」
「丈、短すぎ。足、出しすぎ、ほら行くぞ。タクシー、来た」
短すぎ、って膝丈なのに! タイツだってはいてるのに!
真っ赤になった私に凄艶に微笑んで、尚樹さんが指を絡めて引っ張る。
いつの間にタクシーを手配してくれていたのだろう。相変わらず何もかも用意周到だし、私の鼓動は昨夜から壊れっぱなしだ。ドキドキドキ、と狂ったようなリズムばかりを刻む。
尚樹さんが甘過ぎて、フロアできちんと部下の顔に戻れるのかもう自信がもてない。