【短】サッカーボールなあたし
不安と緊張が
安心になり
次から次へと涙がでた
「よかった……」
隆也は泣き止まないあたしの頭をくしゃっ、となでてくれた
「ねえ、隆也」
あたしは愛しい名前に問い掛ける
「何?」
彼はあたしにあの大好きな笑顔を向けていてくれている
「ボールは……どうなるの?」
「ボール?ボールは……」
彼は少し照れた顔であたしを見つめ、
あたしの唇に唇を重ねた
「今、ゴール手前」
悪戯気にほほえむ
あたしは笑顔で答える
「じゃ、ゴールしよっか?」