Deal×Love

「フフ。皆様、失礼致しましたわ」

手を口に上品に添えるとニコッと微笑んだ。
それを見たクラスメイト達はアリサの美しい所作にコロッと騙されて魅了されている。

アリサは背も一七〇センチもあって長身で長いストレートの髪も綺麗で顔も美人で、しかも皇室御用達の老舗の家具屋の御令嬢様。
見た目も中身も、誰もが羨む女の子なのだ。

女子校というのもあるせいか、美人な女の子をアイドル化する生徒が一部いる。
アリサはそのアイドルの中の一人。
陰では『アリサ様』と呼んでいる子までいるほどなのだ。


私はそのアリサに手を引っ張っられて、教室を出て誰もいない廊下に連れて行かれる。


「どうしてお見合いなんて！」

血柱が走った目でアリサは私を問い詰める。

「私が行かないと父が桜を行かせるって言うの」

「桜ちゃん、この前十六になったばかりじゃない！椿だって十八になったばかり！」

アリサの綺麗な顔にどんどん青筋が立っていく。

相当ご立腹だ……このままだときっと……