Deal×Love
「海は呼んでんのに俺は呼んでくれないわけ」

「海さんとは、契約でも夫婦ですから!」

そう返すとぐいっと顔を掴まれて前を向かされて。


「呼んでくれないなら、キスしようかな」

至近距離で私を見つめながら口角を上げる彼。


キスぅ!!?


「こ、洸さん!」

慌てて叫ぶ私。


「『さん』が気に食わない」

ちゃんと名前を呼んだのに、私に近付いてくるムスッとした顔。

『さん』は要らないって言われても、呼び捨てで男性を呼んだことなんてない!

焦った私は、


「こ、洸君!」


慌てて『君』付けで呼んだ。

すると彼は少し考え込んだ後、
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