Deal×Love
「で、何だった?」

貴方が私を遮るから会話を忘れそうになったわ。

私、この人のペースに飲まれまくっている。

「こ、洸君は、何であんな小さな家に住んでいるの?」

私はまだ言い慣れない名前とタメ口を使ったせいか、辿々しくなりながらも訊いた。

それよりも気になる。
お家はあんなにお金持ちなのに、あんな小さな部屋に住む必要なんて無いじゃない。

「親の教育方針で二十歳になったら家を出ろって言われてるんだけど、あそこに住んでた海が結婚してあの家を出るって言ったから、俺も二年早いけど家を出ようかなって思って」

え。

海さんもあんな小さな部屋で一人で暮らしていたの……?

「あと父さんが出てけって煩かったのもあるけどな。真ん中の兄貴は留学してて居ないから俺が出てけば両親だけ。父さんは母さんにベッタリだから」

それには納得。
お見合いの日もお二人の世界を作られていたから。
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