Deal×Love
「暢気にソファーで寛いでるなら助けてよ!」

そんな洸君に苛立ちをぶつけた。

「逃げたって無駄だって」

が、ケロッと真顔で返された。
無駄って……

「母さんは娘をずっと欲しがってたらしいからね。三人男だったからね、義理でも娘が出来て嬉しいんだろうね」

成る程……。

「そうだ、椿。明後日の月曜日、デートしよ。今日邪魔されたから」

突然笑顔で突拍子もないことを言う洸君。
『そうだ』から何故に脈絡もなくそこに繋がる。

「嫌」

私は目を細めて返す。

「じゃあ学生証返してあげないよ?」

すると意地悪そうに口角を上げる洸君。

「卑怯!」

「じゃ月曜日帰りは何時?」

「何で勝手に話を進めてるの!?」

「椿とデートしたいから」

ストレートな言葉に不甲斐なくドキッとしてしまう。

ここはハッキリ断る!

「だ、だから私にはーー「椿ちゃん、ここに居たのねー!」


ドキィ!!
大きく肩を竦めた私。
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