Deal×Love

「海さんを、好きになっちゃったの……?」

「うん……」


私は一人でマンションに居るのが空しくなって、アリサに話を聞いてもらうためにアリサの家まで会いに来た。
オシャレで高そうなティーカップと、アフタヌーンセットに詰まれたマカロンやクッキーやサンドイッチ、高い天井に大きな部屋を見たら、久々に実家に帰って来たような気分になる。


「あ~……ごめん」

突然アリサは頭を抱えながら唸った後、何故か謝った。

「何で謝るの?」

首を少し傾げる私。

「椿が海さんを好きなら、洸を手に入れられる確率が上がったと、醜いことを考えちゃったから」

そういうこと。

「謝る必要なんてないから。きっと人を好きになったら誰もが自分に向いて欲しいと思うのは自然の心の流れだと思う」

私も思ったから。
弥生さんのことを忘れて私を見てって……
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