Deal×Love
海さん……私を選んでくれるでしょう?

だって私に言った……彼女にもう、流されたくないって……。

それに今日は約束してた花火大会。

私、浴衣も着たの。

お化粧もしたの。

海さんに可愛いって言って欲しくて。

それに夜は一緒に眠ろうって約束した。


弥生さんを選ばないで……




「ごめん、椿……」


それなのに、聞きたくなかった言葉が。


その言葉を聞いた瞬間、身体の機能が停止した。

その言葉のせいで海さんを握っている私の手の力が緩む。
すかさず海さんは私から手をスルリと引き抜いた。

離れていく海さんの手を見た私は停止している脳に喝を入れて、今度は両手で掴んだ。
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