Deal×Love
「……海さん、私を置いて、行っちゃったの……っく、……一人ぼっちなの……」

私は嗚咽を出しながら伝えた。


『何処にいる?家に居るからすぐに迎えに行く』


洸君を頼るのは卑怯だ。

分かってる。

でも一人で居たくなかった。

それにあのマンションにはもう帰れない。

誰かに助けてもらわないと、何処に行けば良いのかも考えられなかった。


洸君に言われた通り、辺りに目印になりそうな建物を探すと少し先にコンビニが見えた。
アリサに教えて貰った携帯アプリで住所を調べると洸君にメールで知らせた。

洸君は私をすぐに迎えに来てくれた。


「椿、お待たせ」

目印のコンビニ前のガードレールの近くに俯いて立っていると洸君が来てくれた。


「洸君、来てくれて、ありがとう……」

私は下を向いたまま返す。
それしか言えないのは、罪悪感があるから。
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