Deal×Love
「俺の家に行こう。顔、酷いから」

俯いていたが洸君が私の顔を見たようだ。
頑張ったメイクも取れてしまったようだ。
余程酷い顔になっているのだろう。

「そこのコンビニでメイク落とし買ってくる。ちょっと待ってて」

視界に入っていたスニーカーが踵を返して消えていった。


「おまたせ」

一分後、すぐに戻ってきた洸君は私のためにメイク落としを買ってくれたようで、視界に洸君のスニーカーが戻ってきた。

私は下を向き続けていると、突然顎を掴まれて上に向かされた。

その突然の行動に何をされるのだろうと鼓動が少し速さを上げたところに、顔には湿っぽい布が押し付けられる感触。
どうやら私のメイクを落としてくれているようだ。

私は気まずくて目を合わせたくなくて、目を伏せる。

余程マスカラが酷い状態になっているのだろうか。
丹念に目の周りを拭き取ってくれている。
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