Deal×Love
「私は何とかしてみせるから。桜はゆっくり休んで、おやすみ」

「ありがとうございます……おやすみなさい……」

桜が部屋に入っていくのを確認すると、私は踵を返して自分の部屋へと歩いていく。


お見合いに、結婚……


そんなの考えられるわけがない。

恋すらしたことが無いのに。


それに四月からは先日受かった大学にだって行く。
それまでもう一ヶ月半を切っている。

もし結婚したらどうなるの?

父は結婚させると言っている。
父の言葉は我が家では絶対服従。

もしかしたら、大学に行かせてもらえなくなるかもしれない…………あ。

そっか、気付いた。


「相手に断わらさせれば良いじゃない」
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