Deal×Love

「だってコウノトリさんが運んで来たかもしれないじゃないですか！」

「は？？」

私が叫ぶと、彼は半泣きな私を目をパチクリさせて見ている。

すると次は訝しげな目で私を見て言う。

「あのさ……訊いて良い？」

「今はそれどころじゃないですから！」

「赤ちゃんの作り方、知ってる？キスしたら出来るとか言うなよ？」

「バカにしないで下さい！男性と一緒に眠るとコウノトリさんが運んでくるに決まってるでしょう！御母様から教わってるんだから！」


そう叫ぶと彼は数秒間大きく目を見開いて固まって、


「ぶっあはははははー！絶滅危惧種だっ！！」


海さんにそっくりな弟が、お腹を抱えて大声で笑いだす。

海さんのこんな姿、想像出来ないから不思議な光景に見える私。