One Night~Kotaro in blue~(七色セツナ。SS)
「っつ」
私は、目を奪われた。
金色のフワフワした髪。
両側をピンで留めている。
そこから覗く切れ長の目。
すっと通った鼻筋。
薄い唇。
シャツを捲った手はしなやかで。
一言で言えば・・・美しいひと。
でも、あの中山さんって
いう人と比べると、取っ付きにくそう。
「あー、中山さんが作った
カクテルを飲めるってだけで
テンション上がるわー。
里美も
何か頼んできなさいよ。
オーダーは
カウンターまで行かないと。」
「あ、う、うん」
どうしよう。
あの金髪の彼は
近寄りがたい。
でも、中山さんは接客中だし……
「どうぞ?」
金髪の彼が、こっちを見てる。
近くで見ると
もっと……
顔が熱い。
どうしよう。
おずおずと
チケットを差し出す。