One Night~Kotaro in blue~(七色セツナ。SS)
カウンターの奥の扉から、
フルーツを持った女の子が
入って来た。
途端ー
金髪の彼の
表情が変わった。
ーーー笑ってる
・・・目が笑ってる。
表情が、穏やかになった。
フルーツを受け取って、何か言ってる。
ガチャンっと
ガラスの砕ける音がした。
あ!
知らないうちに
前屈みになって、
グラスを落としてしまった。
女の子が
カウンターから出て来た。
「大丈夫ですか?」
「あ、は...はい。
すみません!」
「お召し物に
かかってませんか?」
「大丈夫です……」
「片付けますので、
お座りになっててください」
「あ、ほんとにすみません」
女の子が
床に散らばった破片を
集めようと屈んだ。
申し訳なくて、一緒に屈むとー