死の代償
五
次に目を覚ましたとき、美雪は病院のベッドの上にいた。
最初に視覚を刺激したのは、白のイメージだった。
そして、焦点が急激に合い、白い病室の天井が映った。
ずいぶん味気無い天井だなとぼんやり考えていると、
横から自分の名を呼ぶ声がして、誰かが顔を覗き込んできた。
声も顔も見覚えがあった。
母親だ。
「あれ?お母さん」
真っ赤に腫れた目を潤ませて母親が、美雪の右手を握って名を呼んだ。
はて?なにをお母さんは泣いているのだろう。
ここはどこだろう。
家じゃないな。
あたしはどうしてこんなとこにいるのだろう。
次々と疑問が湧き出てきて、美雪の頭の中は混乱した。
やがて医師がやって来て美雪に問診を始めた。
そして美雪が、自分がなぜここにいるのか覚えていないのが判ると、
医師は、なにが起こったのかを話した。
「あたしが自殺?大量失血で意識不明だった?それから四日経ってる?」
そして、医師はさらに尋ねた。医師というより彼は、自殺志願者担当のカウンセラーらしい。
最初に視覚を刺激したのは、白のイメージだった。
そして、焦点が急激に合い、白い病室の天井が映った。
ずいぶん味気無い天井だなとぼんやり考えていると、
横から自分の名を呼ぶ声がして、誰かが顔を覗き込んできた。
声も顔も見覚えがあった。
母親だ。
「あれ?お母さん」
真っ赤に腫れた目を潤ませて母親が、美雪の右手を握って名を呼んだ。
はて?なにをお母さんは泣いているのだろう。
ここはどこだろう。
家じゃないな。
あたしはどうしてこんなとこにいるのだろう。
次々と疑問が湧き出てきて、美雪の頭の中は混乱した。
やがて医師がやって来て美雪に問診を始めた。
そして美雪が、自分がなぜここにいるのか覚えていないのが判ると、
医師は、なにが起こったのかを話した。
「あたしが自殺?大量失血で意識不明だった?それから四日経ってる?」
そして、医師はさらに尋ねた。医師というより彼は、自殺志願者担当のカウンセラーらしい。