大人のあなたに届かなくて。


そしてあっという間に国語の授業が終わった。


終わった…終わるの早かった!!!!これはラッキーだ!


その休み時間、3人で話しているとそこに百本先生が話に入ってきた。


「あっ!先生ー!先生の名前、百本って珍しいね」


楓が興味しんしんに先生に質問する


「あー、それよく言われる。確かに珍しいよね」


「先生国語のテスト簡単にしてよ、だりぃから」


「わかった。お前だけ難しくしてやる。他の子は簡単な問題出すわ笑」


「はぁ?意味わかんねぇなにそれ笑笑」


どんどん話が進んでいき、私もなにか話さないとって思ってとっさに出た質問が


「先生、好きな食べ物は何ですか?」


だった。


定番すぎる。もっと何かこう、あったはずなのに、いざとなるとこういう定番な質問しか出てこなくなる。


「あぁ、牛丼かな」


「そうなんですか!」


あれ……。何で先生、私の目を見て話してくれないの?


楓や陸斗には目を見て話すのに、なんで私だけ目を合わさないで質問に答えるの。


質問してるのは、私なのに


その後も話が続いたけど、結局1度も先生と目が合うことはなかった。


なんで…?どうして…?



私…












嫌われてるのかな








そう思ってから、私は百本先生が怖くなった。










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