大人のあなたに届かなくて。
ガチャッ……ガンッ……ガッ
周りがガチャガチャうるさい
おまけに、「痛ってーな!!!」「すまねー」「つっかえてんだけど、早くしてくんね?」「うるせーなこれ以上進めねんだよ!」
こんな言い争いがあちらこちらで起こる
今現在、私たち、毎年恒例(らしい)のこの中学校の全校生徒が自分の椅子をグラウンドまで持っていく真っ最中…!!!!
周りで椅子と椅子がぶつかり合う音が止まることはない
「この椅子カバー誰のー??」
…
出た。
これも毎年恒例。
【椅子カバー落としたの誰や事件】
※ここで椅子カバーがわからない人に説明しよう!!今、現在私たちはグラウンドに椅子を運んでいる最中で、グラウンドに持っていくと地面にそのまま椅子を置くことになる。グラウンドは当然土。てか、砂。その砂が椅子の足につかないように、または滑り止めのためのカバーなのだっ!!!!わかったかい??それではお話の続きをどうぞ
椅子カバーってのは、さっき作者が説明してくれたと思うけど、そういうこと。
毎年この事件が起こる。
にしても……
なかなか進まねぇなぁぁぁぁああ!?!?!?
全っ然進まない!!!!みんな動いてる!?って思ってしまうくらいさっきから列が動かない
「波船、椅子カバー1個ないじゃん」
突然話しかけられてビックリした
私の隣には、いつの間にか百本先生が立ってた。
「えっそんなわけ……げっほんとにない…」
どこかに落ちていると信じてキョロキョロ辺りを見渡しても見つからない
そういえば、さっきの【椅子カバー落としたの誰や事件】!!!!私のかも!!!!
そう気づた時には私の口は勝手に動いていた
「さっきの椅子カb「これ見てみ?
百本先生が私の声を遮って私に何か差し出した
椅子カバー
「先生!?どこに落ちてたんですか?」
「俺が取った笑笑」
は?
「取ったって…先生がわざと私の椅子カバー取ったって事ですか?」
「うん」
「うん」じゃないよ!!!!めっちゃビックリしたわ!!!!!なにしとんやこの教師!!!!
なーんてこと先生に直接言えるはずもなく
「もう!やめてくださいよー笑ビックリしたじゃないですか〜」
まるで上司にいじられてそれに対応する時みたいな言い方になった
「そんじゃ、頑張れよ!」
「はーい」
先生は先にグラウンドに走っていった
その後、やっっっとのことで列がすすみ、グラウンドまで椅子を持っていくことができた。