大人のあなたに届かなくて。
ダメだ…!!!!!!!
全然緊張するんですけど?!?!
てか、2.3年合同だからか陸斗が全く見つからない…!!!!
「ねえ麻衣、陸斗いた?」
「いない笑」
「アイツほんとに組み立てに参加してんのか??笑」
楓が冗談交じりでそんなことを言っている時、私はある人を見つけた。
百本先生だ。
組み立てをしてる1部の生徒の後ろでしゃがんで見守っている。
ただしゃがんで見守ってるだけなのに、何故かカッコよく思えた。
「ねぇ、あそこに百本先生いるじゃん?」
そのカッコよさを、誰かと共有したい
「うん?いるけど、それがどうかしたの?」
「なんかさ、カッコよくない?」
その言葉に楓は驚いた表情を見せた
「は?あれのどこがカッコいいの?しゃがんでるだけだよ?笑」
「そうなんだけどね?なんかさ、ほら!カッコよくない?笑」
「全然!カッコよくない!!」
「えぇ〜なんでわかんないかな〜」
私の脳内が疑問でいっぱいになりそうだった時だった
「麻衣さ、百本のこと好きなの?」
え…?
私が百本先生を好き…?
「え?何言ってんの?笑そんなわけないでしょ!」
「えー!だって最近仲良いし、あんな誰でもするような行動してる百本がカッコいいって言ってるんだもん笑」
「好きなわけないでしょ!笑変なこと言うのやめてよ!」
「ははっごめんごめん笑 あ、組み立て終わっちゃったじゃん!!最後のピラミッドすごいねー!!」
「わっ!ほんとだ!高い!1番上の人すごい!!」
私は精一杯の拍手をした
「次うちらだよ!!行こ!!」
「うん!」
私は楓と一緒に入場門まで向かう
何故か今の私は緊張なんかしてない
さっき楓が言った言葉が忘れられない
『麻衣さ、百本の事好きなの?』
なんでその言葉にすぐに返せなかったのかわからない。
好きなわけない。
今まで先生もののドラマや漫画でも、自分が先生の事を好きになるなんてありえない。絶対ありえない
そんなこと思ってた私だから絶対に私が百本先生の事すきだなんてこと、絶対絶対ない!!!!!!!
ただ、ギャップにビックリしただけ。
そうだギャップだ!
いつも私のことをいじってくるあの百本先生が生徒を見守ってる姿をみてカッコいいって思っただけじゃん!!
そう思うとなんだがスッキリした