大人のあなたに届かなくて。




そして午前の授業、昼食が終わり、やっと5時間目がきた。


国語の先生の名前の謎が解ける時がきた…!


学校特有の音が鳴る


ガラッ


教室のドアが開いた。


そこから入ってきたのは、


紺色のクロックスに黒の靴下


黒いズボン


灰色のパーカー


紺色のジャンパー


ジャンパーからはパーカーのフードがちょこんと出ていて


可愛らしい少し小さな目に黒で縁どった眼鏡


前髪は眉毛より上でまばらに並んでいる


これが国語の先生……?


「はじめまして。今年、国語担当地なりました。百本(ももと)です。よろしくお願いします。」



ももと……?今ももとっていった…?


ももとって読むんだこれ……変わった名前だなぁ…


トントン


誰かが私の肩をたたく


もうわかる。陸斗だ


私は後ろを振り向き、何?という顔で陸斗を見た


「名前、ももとって言うんだな…!これで謎、解けたじゃん」


コソコソっと私の顔を見ながら少し笑顔でそう言った。


「…変な名前だよな…!ももとって…」


「なんか、美味しそう…」


「ぷっ…!お前、食いしん坊なところ全然昔と変わってねぇな…笑笑」


私は陸斗の腕を軽く叩いてまた前を向いた。







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