恋愛相談
朝の光に染まる紫陽花は、昨日の雨のしずくが付き、きらきらと光っている。
私は窓からぼーっとその様子を見ていた。
「めーぐみっ」
自分の名前を言う明るい声が聞こえて、ふと顔を上げる。
声の主は、今日もバツグンの可愛さだった。
二本結びにまとめた艶やかな黒髪に、ぱっちりとした二重の目。すっきり通った鼻筋。
「千佳、おはよう」
彼女の名前を呼ぶと、くりんとした目が私をまっすぐに見つめて、笑顔になる。
「おはよっ!今日も恵、すっごくかわいい!」
相変わらず、千佳は彼女の十分の一ほどの私の顔を褒めてくれる。私はひねくれているのかもしれない。彼女が褒めてくれているのに、そんなことを思うなんて。
でも、しょうがないのだ。それくらい私たちには差があって、私がひどい性格でもあるからだ。