2番目に君を、愛してる。
第1章 人恋しい夜の出逢い
窓ガラスに大粒の水滴が無数につき、空模様は最悪だ。
きっと傘をさしても役に立たないだろう。
窓から視線を移して、手際良く荷物をまとめる男を見つめる。
こんな時でさえ私は泣けない。
涙など、枯れた。
かけるべき言葉は見つからない。
着々と衣類と少しの雑貨がバッグに吸い込まれていく。
ああ、こんなに荷物が少なかったんだね。
いつも綺麗に畳まれた衣服を雑にバッグに押し込む彼は、一刻も早くこの部屋を出ていきたいはずだ。
「ーーこんなこと言う資格はないけど、身体には気を付けてね」
優しい声色で、優しい言葉に
そっと頷く。
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