2番目に君を、愛してる。

くそぅ、細身のくせに意外と、重い。


偶然出逢った男に肩を貸しながら歩く。

風が背中を押してくれた。
向かい風でなくて良かった…。


セキュリティーどころか今にも潰れてしまうかのような古いアパート。
虫なんかもたくさん出る。

両隣りに誰も住んでおらず話し声などはしないが、上の階の足音は結構、響く。


それでも此処が、私の家だ。



「汚いところで、ごめんなさい」

2人で階段を上がりながら、とりあえず謝っておく。


ここまでの道のりではお互いに一切、口を開かなかったが、きっと驚いたはずだ。女の住む場所ではないと。


「雨漏りはしてないから、安心してください」


「助かります」


男は一方の腕を私に預け、空いている方の手で階段の手すりを掴んでいた。


怪我してるんだし。
この際、贅沢は飲み込んで頂こう。


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