2番目に君を、愛してる。
第3章 2番目の僕ら
校門の前で待ち合わせをした新藤さんは、グレーのスーツとレジメンタルストライプのネクタイ姿で現れた。
すれ違う生徒はわざわざ振り向いて新藤さんを見ている。
教室に入るまで、ずっと見られていた。
「学校、久しぶりだ」
懐かしそうに校舎を眺めている新藤さんの隣りを歩く私も落ち着きなく、キョロキョロしていた。
今日は三者面談。
青山先生が首を長くして待っている。
昨夜は勉強時間を削って打ち合わせをした。
「緊張するね」
「はい…心臓ドキドキしてます」
「なるべく余計なことは言わないよう、気をつけるけど。フォローよろしくね」
「はい!」
学校に新藤さんがいるなんて、なんだか不思議だ。
私たちが同級生であったなら、教室でお喋りすることもあったかな?
ううん、きっとキラキラしている新藤さんと
話す機会なんて訪れなかったと思う。
別世界の人だと距離を置いていたに違いない。
だから、今、隣りに新藤さんがいてくれることは
奇跡なんだ。