2番目に君を、愛してる。
「ありがとうございました」
青山先生にお礼を言って新藤さんは席を立つ。
内心ガッツポーズで、教室の扉を開けた。
「あれ、夏?これ夏のペンじゃねぇの?」
お互い、緊張の糸が解けたのだと思う。
青山先生がいつの間にか床に転がったシャーペンを拾ってくれた。
「…ナツ?」
新藤さんが青山先生を見た。
「あ、つい…失礼しました」
すぐに青山先生は頭を下げた。
青山先生の少し乱暴なもの言いも、生徒を呼び捨てにすることにも私は慣れている。
けれどたぶん、保護者の前で男性教諭が女子生徒を名前で呼ぶことはタブーだろう。
「青山先生、ありがと!行こう、お兄ちゃん」
ペンを受け取り、新藤さんの腕を引く。
新藤さんはもう一度、青山先生を振り返り、私に引っ張られるかたちで歩き出した。
あー、青山先生のバカ!
あんたがボロ出してどうするのよ。
うるさいご両親だったら、校長に告げ口されてるところだよ…