2番目に君を、愛してる。
「…幸い、傷は浅いから心配するようなことはないよ。痛み止めも飲んでいるし、少し休んだら出て行くね」
「…シャワーにします?それとも横になりますか?」
「できれば、横になりたい」
「分かりました」
洗面所の普段は使わない右側の扉を開ける。
黒のスエット上下を引っ張り出し、空いている方の手で男の腕を取った。
「兄の着替えです。使ってください」
「すまない」
階段の手すりをしっかり握って上ってきたが、彼は私の部屋の壁に触れようとはしなかった。
爪先についた血で、壁を汚してしまわないように気を遣っているのだろう。
自分が大変な時に、なんて人だろう。