2番目に君を、愛してる。
狭い部屋ではベッドが置けずに布団を愛用している。
よく兄が泊まりに来るおかげで布団は2組あり、
テーブルを隅に追いやり部屋の中央に布団を敷く。
「座ってください。救急セット持ってきますね」
きちんと消毒をした方が良いだろう。
救急箱を棚から取り出しながら、部屋の隅で眠る子犬の姿を確認する。
良かった…。
「…君は警戒心がなさすぎる」
「そうですね」
「もし俺が悪い大人だったらどうするの?」
「…悪い大人は子犬なんて助けません」
震えていた子犬は余程疲れていたのか、雨風凌げる場所に安心したのかブランケットに包まれて幸せそうな寝顔だ。
「犬の温もりが欲しくて抱いていただけかもしれないよ」
「その割にはあっさり犬を私に託そうとしてましたよね」
救急箱を男の側に置いて、ついでに着替えとタオルを渡す。
「ひとりでできますか?包帯くらいは巻けますけど…」
「大丈夫だよ、ありがとう」
「それじゃぁ私も着替えてきます」
「……ああ」
気まずそうに男が目を逸らしたが、兄がいる私はそこまで意識していなかった。
あ、もしかして一般的な女子高生だったら、お互いに萌える展開だったりする?