2番目に君を、愛してる。
部屋着に着替えて簡単に髪を乾かし、ドライヤーを持って居間に戻る。
「大丈夫ですか?」
「ありがとう。色々使わせて貰ったよ」
消毒液や包帯を綺麗に救急箱にしまう彼の横に座る。
「起きたままでも辛くないですか?良かったら、髪、乾かしますよ」
傘も差さずに夜道を歩いてきたのだ。
滴る水をタオルで吸い取ったとしても、まだ冷たいだろう。
「そこまでしてもらうわけには…」
「濡れたままだと気持ち悪いでしょ」
コンセントに繋いでドライヤーのスイッチを押す。遠慮はしているが嫌ではないのだろうと彼の口ぶりから判断して、勝手に乾かし始める。
彼が否定の言葉を発する前に、
ドライヤーの騒音が狭い部屋に響いた。
少しパーマがかかった柔らかい髪に触れる。
冷たくなった髪。
彼の身体も同じくらい冷えているのではないかと、心配になった。
もし彼が兄だったら、
後ろから抱きしめて温めてあげるのに…。