2番目に君を、愛してる。

2ヶ月後の定期試験まで出掛けることは先延ばしになり、毎晩遅くまで新藤さんは根気よく勉強に付き合ってくれた。


2ヶ月は長い。
だってその間に犯人が捕まれば同居生活は解消となり、きっと出掛ける話もなくなってしまう。
もちろん早く捕まれば良いとも思う。


おかしいな。
楽しみができることも、時が過ぎることを楽しく思うことも、ずっと無縁だったのに。

どちらかと言ったら未来よりも過去に戻りたい気持ちが強かった。
新藤さんと出会って自分が変わっていく。



「なっちゃんが作る炒飯!とても美味しいね!」


「そうでしょうか?」


「このサラダのドレッシングも特性?」


「調味料を混ぜたたけですけど」


「いや、絶妙な味付けで好きだよ」


一から十まで新藤さんは褒めてくれる。

トレッシングの味付けをほんの少し変えただけでも気付いてくれて、作り甲斐がある。

新藤さんのおかげで料理も楽しくなった。


「新藤さんは好きな料理あります?」


「なっちゃんの手料理」


「新藤さんはお世辞が上手ですね」


その言葉を証明するかのように山盛りの野菜炒めが完食される。


しかし残念ながら全ての料理を褒めてくれるため、未だに新藤さんの味付けの好みを私は知らない…。

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