2番目に君を、愛してる。
「あたしは吉沢です。冬樹の元カノで、同じ職場で働いてますっ」
2人は並べない狭い廊下で、吉沢さんは後ろからひょっこり顔だけ出して笑った。
「まぁ安心して、全然愛されなかったから。好きだなんて、1回も言われたことなかったわ」
「おい、余計な話は…」
「駄目よ、冬樹。女にとっては大切なことなの」
新藤さんは重ねたままの手に少し力を込めた。
1番にはなれない。
吉沢さんは新藤さんの2番目だった。
「あなたは冬樹のことが好きなの?」
吉沢さんの問いにこくりと頷き、付け足す。
「2番目に」
新藤さん、これが正しい答えですよね?
ーーえ?
答え合わせのつもりで新藤さんを見つめると、
すぐに彼は私から視線を逸らした。