2番目に君を、愛してる。
居間の豆電球がついていて、ベランダに立つ新藤さんの後姿が見えた。
そっとその隣りに並ぶ。
2階なので見晴らしが良いわけでもなく新藤さんの視線を追えば、駐車場に向かう吉沢さんの姿がある。
私たちは何も言わず、吉沢さんが車を発車させて駐車場を出て行く様子を見守った。
「入ろうか」
暗い夜道。
吉沢さんが無事に帰る姿を確認したかったのだろう。
「…立ち聞きしてごめんなさい」
「こちらこそうるさかったでしょう。ごめんね」
ほっとした。
いつも通りの新藤さんだ。
「吉沢さんに子犬を預けたんですね」
2人が出逢った夜。
傷付いた新藤さんが抱いていた子犬。
翌日、ちょうど良い飼い主がいると新藤さんは犬を連れて行ってしまった。
「彼女は実家住まいだから、寂しい思いはさせないよ」
「良かったです」
あの子には帰る家ができたのだ。
良かった…。