2番目に君を、愛してる。
夜風に新藤さんの髪が揺れている。
ベランダの手すりに寄りかかりながら、真っ直ぐに私を見ていた。
見透かされているのだろう。
このもやもやした気持ちを。
「…新藤さんが刑事でいられなくなるとか、私を傷付けるとか、どういう意味でしょうか」
「直球だね」
思い切ってぶつかろうと口を開いたが、柔らかい笑顔を返された。
言葉巧みに誤魔化されてしまうのだろうか。
「今回の事件はそれほどまでに要注意案件であると、理解してくれないかな?」
「抽象的で分かりません」
「なっちゃんは厳しいな」
「一応、私も当事者です。もう少し話してくれても良いのではないでしょうか?力になるなんて大それたことは言えないけど、それでも新藤さんと一緒に考えたいです」
部外者だと一蹴されるより、
できれば新藤さんが抱える思いを共有したい。
「話していただけませんか?」
脳裏にちらつく吉沢さんの姿が、なぜか、私を焦らせていた。