2番目に君を、愛してる。
きっと私も、新藤さんの甘い言葉に騙されていたい女のひとりなのだと思う。
けれど敢えて夢から覚めるような毒を吐いた。
「あなたの心に最も近いのは、1番目に愛してる方でしょう」
「……」
珍しく新藤さんが言葉に詰まった。
「君の達者な口を無理矢理にでも塞ぎたい気分だよ」
「窒息しない程度に…」
「息もできないくらい、情熱的な口づけでどう?」
新藤さんが手を伸ばす。
狭く逃げ場のないベランダ。
冷たい手が、私の唇に触れた。
上唇と下唇の間にグッと人差し指を差し込まれ、
彼の爪が刺さる。
そして
彼の指と、私の舌が、
ーー触れた。