2番目に君を、愛してる。
いつもより少し早めに起きて身支度を整える。
準備万端であったはずなのに、当日になって余所行きの服装がないことを思い出した。
私の生活範囲は、学校と家、そしてバイト先の図書館だけだ。
学校とバイト先はそれぞれ制服があるし、洋服は両手で足りるくらいのレパートリーしかない。
いつものTシャツと、七部のパンツ。
せっかくだから可愛いスカートを買っておけば良かった。
私の持ち物で唯一可愛いものは、新藤さんから贈ってもらったネックレスくらいだ。肌身離さずつけている。
「新藤さん、お待たせしました」
コーヒーを片手に新聞を読む新藤さんは白いシャツに黒いパンツとシンプルであったが、とても爽やかな印象を受ける。
「それじゃぁ行こうか」
「はい!…え、自分で持てます」
私の大きなボストンバッグを新藤さんが持ってくれた。
「良いから。戸締りお願い」
「それ、重いんですよ!」
「なおさら女の子には持たせられないよ」
慣れない女の子扱い。
くすぐったくもあり嬉しくもある。
この人は私を甘やかそうとしてくるから時々、ものすごく困るのだ。