2番目に君を、愛してる。
駆け寄ってきた新藤さんは腰を折って私と目線を合わせた。
「帰る?」
「え?」
冷たい手が、私の頰に触れる。
私ーー、
泣いてた?
「泣きそうだとは思いましたが、まさか涙出てたなんて…」
笑って誤魔化そうとすると
新藤さんはそっと私を抱き締めてくれた。
温かい胸に顔を押し付けると、ひどく安心する。
水族館の入り口で人目もはばからず、しばらく抱き締めてくれた。
「新藤さん…ありがとうございます」
優しく私の髪を撫でてくれる。
「強がらないでいいよ。俺の前では、ありのままの君でいれば良い」
新藤さんのシャツからは私の大好きな柔軟剤の香りがした。
同じ屋根の下に住む私たちは家族ではないけれど、今の私にとって新藤さんはかけがえのない存在だ。
「新藤さん…ずっと、傍にいて」
甘えた言葉が出た。
自分でも驚き、慌てて新藤さんから距離をとる。