2番目に君を、愛してる。
顔を上げる。
先程の新藤さんはポーカーフェイスを崩して私の名前を呼んでくれたが、
「ずっと、傍にいて」そう告げられた彼は、いつも以上に優しく微笑んでくれた。
甘えるな。
兄が傍にいてくれないのなら、私は、ずっとひとりで生きていく。
「変なことを言ってしまいました。忘れてください。少し動揺してて」
犯人が見つかれば、新藤さんは私から離れることが自然だ。
彼の人生を縛ってはならない。
「さぁ、行きましょう」
今度は私が先陣をきって入り口に向かう。
「なっちゃん、」
小走りで隣りに並んだ新藤さんは、真っ直ぐに私を見た。
「俺はずっと君の傍にいるよ」
全ての音が消えた。
新藤さんの心地よい声だけが耳に届く。
「君が望むかぎり、傍にいるから安心して」
それには答えられなかった。
すごくすごく嬉しかった。
けれど約束してはいけないんだ。
優しさという同情で新藤さんを縛り付けることだけはしたくない。