2番目に君を、愛してる。

「お怪我はありませんか?」


「あ…はい、」


女性は唖然として新藤さんを見た。


私の隣りに立って新藤さんは軽く頭を下げた。


「それなら良かった。クリーニング代、弁償させてください」


さっきから要求されているが新藤さんはこちらから提案するような口ぶりで、私の腕に挟んだお財布をとった。


「大変申し訳ないんだけど、もし落ちなかった場合はこれで新しいものを買ってください」


気前よくお札を3枚、彼女に渡した。

ブランドもののTシャツが買える金額だ。



「そ、そんな!お金なんて大丈夫です!」

急に女性が手をひらひらさせてきた。
先ほどの強い視線は消え去り、キラキラと目を輝かせて新藤さんを見ていた。


「これも何かのご縁ですし、お昼、ご一緒しませんか?」


はぁ?
なにそれ。

女性の視界にはもう私は入っていないようだ。


トレーの上でコーヒー漬けになっているパンを見て、情けない気持ちになった。

ああ、せっかく色合いが可愛いパンだったのにな。綺麗な状態で新藤さんに見せたかったのに。

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