2番目に君を、愛してる。
店員にお礼を言って片付けを任せ、席に置いてあったボストンバッグを持って新藤さんは歩き出した。
カフェの雰囲気を悪くさせてしまったことと、新藤さんに迷惑をかけてしまったことへの罪悪感が残る。
楽しい思い出になるはずだったのに。
私のせいでぶち壊しだよ。
「ちょっと考え事してて、出遅れてごめんね」
「いえ…私が悪くて、」
「まず手を洗っておいで。それから仕切り直そう」
トイレの前でそっと背中を押してくれた。
「新藤さん……」
「ん?」
「ごめんなさい」
「気にすることないよ。別の場所にもカフェあるし、大丈夫だよ」
新藤さんは私の頭を優しく撫でてくれた。
彼女というよりは妹に接しているようだ。
「私がもう少し大人だったら、あの女性にもなめられずにひとりで対処できたのに」
相手の剣幕に押されて言い返すことすらできなかった。最初から子供だと見くびられていたのだ。
「…早く、大人になりたい」
本音が飛び出た。
祖父の援助が必要のない大人に。
新藤さんと肩を並べてもおかしくない大人の女性に、早くなりたい。