2番目に君を、愛してる。

大学病院が見えてきた。



「…俺は嘘をついてはないが、疑って妹と接触するなんざ、違法捜査じゃないのか?」


「訴えることも可能だ」


事務的な口調の新藤さんは他人事のように言う。



「訴えたところで身内の失態は揉消すんだろ?」


「お兄ちゃん、もういいから…」


兄の腕を掴み、体勢を後ろに戻させる。

ショックだし、ガッカリしたけれど、
それでも新藤さんへの怒りの言葉は見当たらなかった。


「新藤さんと共同生活を始めたことは私の意思だから、もういいよ」


新藤さんは一度も、私を強要しなかった。

私が新藤さんと一緒に居たかっただけなのだ。


新藤さんの言う通り、兄がいなくなったことで寂しい思いをしていた心の隙間に、彼が自然と入り込み、自分自身で受け入れることを選択してきた。

拒む機会はいくらでもあったはずなのに。



「おまえがよくても俺が納得できねぇんだよ!」


「2人とも、もう着くから静かに!」


苛立つ兄に注意した美崎さんとミラー越しに目が合った。

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