2番目に君を、愛してる。

「職場が近くでマスターと顔見知りだから通ってるよ。あ、お勧めはオムライス」


「…私もコーヒーが好みの美味しさで常連になりそうです」


嘘だ。
新藤さんのことが気になって、味なんて全くしなかった。

店内に入ってきた時に感じた良い香りを堪能する余裕もなくなっている。


「それじゃぁまた逢えるね」


もう彼は笑わなかった。


感情の読み取れない表情と真剣な眼差しで次を示唆するようなことを言い残して、会計に行ってしまった。


けれど救われた。


此処にくれば新藤さんと逢えるという確かな情報は心の支えになる。

今日は失敗してしまったけれど、次回遭う時までに気の利いた台詞を用意しておこう。

なんか、急に元気でたよ。

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