2番目に君を、愛してる。
カフェに行った日から数週間が経ち、10月になった。
東都大学のオープンキャンパスがあるという連絡をもらい、行くことにした。
キャンパス内を倫也くんに案内してもらう約束もしていて、未知の領域に胸を馳せる。
早く大学生になりたい。
そして叶うのであれば、東都大学に入りたい。
良い会社に入り借金を返すための通り道として大学への進学を希望していた時とは大きく違う。
目的をもって勉強することで、妥協ない受験生活を送れているように思う。
新藤さんがいない生活ではあるけれど、皮肉にも毎日が充実していた。
オープンキャンパスはとても盛大で校門から在校生が出迎えてくれた。
様々な制服姿の生徒が混じり、みんなライバルなのだと柄にもないことを考えていた。
綺麗な校舎がいくつも並び、首都圏の大学には珍しく大きな校庭が見える。
そして受付を通り、案内のパンフをもらう。
倫也くんとは図書室で待ち合わせすることになっているため、パンフの最後のページにあった地図を確認する。
広い…。
華やかな大学生と大きなキャンパスのキラキラした雰囲気にのまれそうになる。
別世界、そう感じた。
「入試の相談や学校生活のことは、こちらでお答えします!個人面談となっておりますため、気軽に立ち寄ってください!」
相談会と書かれた看板を持つ大学生が声を張り上げている前を通過する。
相談する人がいない生徒用だろう。
私には本音を聞ける倫也くんがいて、それだけでも恵まれていることに今更ながら気付いた。
倫也くんとの縁は青山先生が築いてくれて、今まで私が切り捨ててきた人間関係に感謝する日がくるなんて、自分の行いを反省しなければ。