2番目に君を、愛してる。
けれど吉沢さんは近くの壁をトントンと叩き、周囲の視線を集めた。
「なっちゃんじゃん」
顔を上げた美崎さんが真っ先に私を見つけ、続いて新藤さんと視線が絡む。
「冬樹に会いに来たんだって。それじゃぁ私は行くわ」
「吉沢さん、ありがとうございます」
お礼を言うと彼女の口が"がんばって"と動いた。
その言葉に力強く頷きたいが、既に新藤さんはパソコンに視線を戻していた。
今は手を離せないのだろう。
「後はひとりでできるよ」
美崎さんが新藤さんの肩を叩く。
「……頼む」
新藤さんは静かに席を立った。
少しだけなら時間をとってくれるようだ。
お弁当だけ渡してさっさと帰ろう。
新藤さんの背後で美崎さんがガッツポーズをしてくれた。
「突然、ごめんなさい」
「下まで送るよ」
「はい…」
新藤さんの対応はいかにも面倒くさそうで、来てしまったことを後悔した。