2番目に君を、愛してる。

狭い空間に閉じ込められている状態では新藤さんも気まずいだろう。

しかし1階に着くまで誰も乗り込んでは来ず、新藤さんは何も返事をしてくれなかった。


1階に着き、受付を通り、外まで見送ってくれた。
まるで早く帰れと言われているように速足だった。
お弁当は受け取ってくれないよね。


「お礼は何がいい?」


唐突に新藤さんは振り返り、ようやく私と目を合わせてくれた。


「お礼?」



そっと私の手から紙袋を引き剥がした新藤さんの意図を理解して、慌てて首を振る。


「とんでもないです!捨てられる容器にしたのでお弁当箱を返して頂く必要もないですし、本当に食べて頂けるだけで…」


「今は事件が立て込んでているけど落ち着いたら連絡するね。その時までに、食べたいものとか、欲しいものを考えておいて」


「それって…」


「その格好、とても似合ってるよ」


「あ、変じゃないですか」


「とても綺麗だよ」


"可愛い"ではなくて、"綺麗"と褒められたことが嬉しい。



新藤さんは同居していた時と同じ、優しく温かい笑顔で笑ってくれた。


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