2番目に君を、愛してる。
「送れないけど気を付けて帰ってね」
「ありがとうございます」
人通りの多い道でいつまでも立ち話は迷惑だろうと、新藤さんに頭を下げる。
「お仕事頑張ってください。さようなら」
「またね、なっちゃん」
「はい、また」
次のある別れの挨拶にホッとした。
「もうとっくに俺の中の1番はなっちゃんだから」
「え?」
前にも同じようなことを言ってくれたけどーー
「君を傷付けた俺を許してくれるというなら、俺はもう遠慮しないよ」
通りすぎりの視線を受けながらも、新藤さんは私の頭を撫でた。
「勉強も頑張ってね」
新藤さん…。
「それじゃぁ行くね」
紙袋を持っていない方の手を挙げて新藤さんは踵を返す。
その広い後姿を見送る私は相当間抜けな顔をしているだろう。