2番目に君を、愛してる。
「君は子供だよ」
はっきり告げられても悲しくはなかった。
事実だと分かっているし、すぐに新藤さんは優しく抱きしめてくれたから。
「でも君が子供の時から、これからどんどん綺麗になって大人の女性になるまで俺は傍にいれるわけだ」
背中に回された腕がきつく私を抱きしめてくれた。彼の首に手を回して応える。
「その先も?おばあちゃんになっても傍に居てくれますか?」
「もちろん」
新藤さんはゆっくり離れると私の両頬を挟み、笑いかけてくれた。
「ここへは君が成人するまで我慢する」
彼の人差し指が私の唇に触れる。
壊れものでも触るように優しく。
それだけの行為なのに心臓が飛び出そうな程にドキドキしている私はやっぱり子供だ。
新藤さんの出した答えはきっと、正しい。
「はい…」
「いい子」
笑う新藤さんを見ているだけで幸せな気持ちになる。これから先も新藤さんの一番近くにいられるのならば、子供でもいいと思ってしまう。
私が子供であることに負い目を感じないように、新藤さんが言葉を選び、甘い雰囲気を壊さないように接してくれている。
分かってる。
私はーー新藤さんの気遣いによって、たくさん甘やかされていることを。
その夜、自分はリビングのソファーで眠るといって私に寝室のベッドを譲ってもらった。
もう私も、一緒に寝たいだなんて子供じみたことは言わなかった。