2番目に君を、愛してる。
夜道を彷徨う。
強い風に背中を押されるがままになる。
雨はそれほど強くないが、突風により髪が乱れる。傘はさせないと予想してフードつきコートを着てきて正解だった。
雲に覆われ月は見えない。
いたる所ででガタガタと物音がする。
空き缶が転がる音や放置された自転車が転倒する音に混ざり、犬の吠える音がした。
飼い犬であれば温かい家に避難しているはずだ、野良犬だろう。
しかし一度吠えたきり犬は静かになり、耳を澄ましても鳴き声は聞こえなかった。
「そう遠くなかったよね」
怪我でもしていたらどうしようと、細い路地裏に入る。家に連れて行って手当だけでもしてあげたい。
狭い裏道を進んだところで、足を止める。
そこにーー
犬ではなく、人がいた。