2番目に君を、愛してる。
壁に寄りかかり、首を垂れている男。
長い足を投げ出し、動かない。
関わらない方が良いと本能が告げているが、男の腕の中で可愛らしい子犬が動いた。
「あのー、大丈夫ですか」
何の反応も返ってこない。
そっと近付くと、真っ白な犬が小さく鼻を鳴らした。
男はスーツ姿で、ずぶ濡れだ。
黒色の髪は彼の額にべったりと張り付いていて、スーツも汚れていた。
「すみません!」
こんな日に飲み過ぎてしまったのか、それとも具合が悪くなってしまったのかは分からないが、どちらにせよこの場所に留まることは望ましくない。
低体温になり死んでしまう。
「大丈夫ですか?」
男の腕を揺すると、彼は顔をしかめた。
そしてゆっくりと開いた目を見て、酔っ払いではないことを悟る。
鋭い目に射抜かれる。